本サイトは、厚労科研「AYA世代がん患者の包括的ケア提供体制の構築に関する研究」による全国のモデル施設でのAYAがん患者家族へのサポートチームの取り組みの他、AYA世代がん患者家族への包括的サポートの情報を紹介しています。
15歳以上40歳未満の思春期・若年成人をAYA(’あや’; adolescent and young adult)世代と呼びます。地域がん登録の推計によると、国内では年間に約20000人が、AYA世代で新しくがんと診断されており、これはがんと診断される人全体の約2.3%にあたります*1。AYA世代のがんは、患者の数が少ないだけでなく、疾患構成が多様で、さまざまな診療科に患者が分散しているため、医療従事者は、この世代のがんの経験を蓄積することが難しい状況がありました。しかし、現実に、がんとその治療は、学業や就労、家事・育児・介護、性や生殖、恋人・友人などの人間関係、長期的な健康管理など、その人の日常生活やライフプランに大きな影響を与え、本人には待ったなしの対応が求められます。
平成30年度より、第3期がん対策推進基本計画に基づき、いよいよ国として本格的なAYA世代のがんへの取り組みが始まりました*2。AYA世代のがん医療を充実させ、患者のライフステージに応じたきめ細かな支援を提供していくためには、医療従事者や支援にあたる人たちが、AYA世代のがん患者に関する知識や経験、知恵を共有・蓄積できるようにしていくような仕組みを作ることが必要だと思われます。また、リソースを効率的に運用するためには、診療科や専門性、医療機関の垣根を越えて連携するだけでなく、医療機関で対応するのが難しい問題については、医療機関の外にあるリソースを活用していくことが求められるでしょう。
このホームページは、厚生労働省科学研究費(がん対策推進総合事業)による「思春期・若年成人(AYA)世代がん患者の包括的ケア提供体制の構築に関する研究」(H30-がん対策-一般-001)の研究班のホームページです。このホームページには、研究班の活動成果とともに、全国のがん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院のAYA世代のがんに対する取り組みを紹介していきます。AYA世代でがんと診断された患者・家族の皆さんには相談支援の窓口の情報源として、またAYA世代のがんの医療と支援に取り組む医療従事者や支援者の方々には、地域のネットワークへの入り口や参照点としてご活用いただければと思います。
平成31年3月吉日
厚生労働省科学研究費(がん対策推進総合事業)「思春期・若年成人(AYA)世代がん患者の包括的ケア提供体制の構築に関する研究」班
研究代表者
清水千佳子
(国立国際医療研究センター病院 乳腺腫瘍内科)
※1 国立がん研究センターがん情報サービス
アクセス日 2019年3月12日
※2第3期がん対策推進基本計画(小児・AYA世代のがん関連抜粋)
アクセス日 2019年3月12日